下町ボブスレー2・3号機の改良について
概要
下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会(細貝淳一委員長)は、来年2月のソチ冬季五輪参戦を目指すそり2号機・3号機の改良作業に入ります。カナダ・カルガリーで10月29日に開始したテスト滑走の結果、選手のみなさんからいただいた10数件のご提案について改良を検討・実施し、より速いそりを目指すものです。
公益財団法人 大田区産業振興協会
下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会
改良ポイントについて
選手のみなさんからご指摘いただいた主なポイントは次の通りです。
●そりの使い勝手に関するもの
スタート時にパイロット(操縦者)がつかむ「プッシュバー」の位置
ブレーカー(後部選手)の着座位置
滑走中にブレーカーがつかまる取っ手の強度
●そりの機構に関するもの
ばね特性を持たせた足回りの動作
足回りのばね特性の安定性
フロント足回りの取り付け位置の調整範囲
●その他
ブレーキをかけた際に削れた氷がボディ内に入ってくることの防止
不要な補強ヶ所の見直し
運搬用の台座であるスキャボーの使い勝手
補足
プッシュバーについては、選手の要望に対応するという下町ボブスレーの特徴をさらに進めるもので、すでに1号機より長く仕上げていますが、加えて高さを少し上げてほしいというものです。また、昨年製作した1号機に比べて小型・軽量化したことにより、ブレーカーの着座スペースが狭いため姿勢を安定させる工夫がほしいと要望を受けました。そりの機構に関する要望は他国との競争上、詳しくご説明できないのですが、振動を吸収するため足回りにばね特性を持たせるなど機構を複雑化したことに伴う改良要望です。
当初計画では2号機で国際大会を転戦しながら、日本に残した3号機に改修ポイントを反映させる予定でした。しかし、改修点が広範囲に渡り、現時点では比較テストした外国製そりとタイム差もあることから、予定を早めて2号機を日本に戻し、3号機とともに改良作業を開始します。11月11日に始まるノースアメリカズカップ・カルガリー大会は代表候補選手団が以前から保有する外国製そりで出場することになりました。
今後のスケジュールについて
下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会では、改良ポイントについてどこをどう直すかを早急に判断し作業に着手します。作業範囲にもよりますが、現時点では改良したそりを12月10日に米国・レイクプラシッドで開幕するワールドカップで使っていただくテストに間に合うよう、改良作業を急ぎます。
プロジェクトメンバーの中小製造業各社は、やはり五輪に出場するのは簡単なことではないと実感しています。テスト滑走開始から本日まで、プロジェクトメンバーは現地のメカニックからの報告を受けて必要な工具や素材を短時間で調達しカルガリーへ送るなど、対応に奔走しています。また、代表候補選手のみなさんからもタイムアップは可能との励ましのコメントをいただいています。選手のみなさんに自信を持って操縦していただける速いそりに仕上げるべく、努力を続ける所存です。
今後とも下町ボブスレープロジェクトを応援していただけますようお願い申し上げます。
以上
過去配信記事
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